2021年年頭所感

新年明けましておめでとうございます。旧年中はたいへんお世話になり、ありがとうございました。本年も変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

今年の年賀状

今年の年賀状

2021年、藤井絞は明日5日より始業しておりますが、一足先にブログをアップ致しました。例年、平日なら4日に年始挨拶回り、挨拶をお受けするのですが、コロナ禍の為、中止とさせて頂きました。年末年始と新型コロナウィルスの陽性者が一気に増え、より強い自粛要請が求められる状況になりましたので、良い判断だったと思っています。新年にはなりましたが、お祭りムードのようなものは何も感じることが出来ず、何か淡々とした新年でした。そんな中でしたが、嬉しいことにきもの業界誌の新年号に取り上げて頂きましたので、その記事を添付致します。一つは「月刊ステイタスマーケティング」と、もう一つは「月刊アレコレ」に掲載されたものです。

月刊ステータスマーケティングの新春トップインタビューにて

月刊ステータスマーケティングの新春トップインタビューにて

「月刊アレコレ」のきもの男子にて

「月刊アレコレ」のきもの男子にて

年末のブログにより、いろいろと振り返りはしましたが、結果「あきらめない」ことにより好転したことが多くあり、挑戦出来た年でした。起こってしまったものをしっかり受け止め、その上で出来る事を考える、最善を尽くすというように努めました。今出来る方法で、そして新しい方法でお客様にアプローチする術も得ました。リモート接客や商品紹介などは、直接会わずとも出来る方法なので、今後も続けて行きます。ご要望のある方は、呉服店様を通じ、ご連絡下さいませ。お待ちしております。

新型コロナウィルスにより、当たり前のことが出来なくなり、変化を求められるようになりました。そして劇的な変化に対応していかないと、どんどん疲弊していく状況に追い込まれる、とても厳しく難しい時代になりました。今までと同じ考え、行動では乗り越えられない難局です。それを踏まえ、藤井絞の今年のスローガンは【常識にとらわれない創造を】と致します。

きもの業界を取り巻く環境は、冠婚葬祭や成人式の中止、きものイベントの中止など、きものを着る機会の減少により、購買理由や意欲も減少しています。至極当然のことで、コロナ禍の中、残念ながら、きものは不要不急のものと言えます。それでも欲しい、着たいと思って頂く方はまだまだいらっしゃいます。特にリモートワークなどで、お家できものを着る方が増え、各種SNSでは、毎日のように着姿をアップされています。Instagramでは「おうちきもの」「おうちできもの」「デーコちうお」などの#タグで検索してみて下さい。では、そういう方々にアプローチする方法は、どのようなものになるのでしょうか。今までと同じようにの展示会は開催しにくいですし、会いに行くことも憚られます。ですので、これまで以上にSNSを中心としたインターネットでの発信が、大きく影響していきます。対面ではない商品紹介をより洗練させて、取り組みます。特に2月初めは「浴衣」の発表会もありますので、新しい発信を試してみたいと思っています。

年末のブログで添付しました「藤井絞の取組み」の中で書いています『BtoBECサイト構築』は、昨年出来ませんでしたので、4月の来年度に向けての課題としてあります。呉服店様とのオンラインでの商品照会により、ピンポイントで商品の選定が出来たり、消費者の皆様へ角度の高い商品提案も可能になるという、画期的なシステムです。新作情報や商品の製作動画配信、商品画像の共有、ブログの配信などをご覧頂く予定です。有料会員にはなりますが、たいへん便利でコロナ禍に対応した新しいシステムにしようと考えています。呉服店の皆様、詳細決まりましたらご案内致しますので、是非ご検討下さいませ。

今年のスローガン【常識にとらわれない創造を】ということでは、今年は様々なコラボ展示会を企画していきます。まず東京初市は例年通りですので、その案内状をご覧下さい。

東京初市案内状

東京初市案内状

そして、その次の週「東京浴衣ウィーク」の112()から14()までの3日間、東京人形町にあります、浴衣メーカーの雄「三勝」様にて、『浴衣合同展』を初めて開催致します。木村株式会社様とも合同なので、3社合同展となります。「東京浴衣ウィーク」にしっかりと当てた時期、又たいへん良い立地にある場所で開催出来ることは、大きな可能性を感じています。お互い浴衣メインで発表しますので、競合や選択もあり、普通はしないと思います。しかし、昨年のコロナ禍による浴衣需要の減退が大きく、同じ方法で発表してもなかなか難しいので、ひとつの挑戦として取り組みます。その案内状です。

東京・京都の浴衣合同展

東京・京都の浴衣合同展

今回のテーマは【リベンジ浴衣】です。コロナ禍で自粛が続いた分、消費に跳ね返った「リベンジ消費」を模しました。これは同業の方で、昨年売れなかった分、2年分販売出来るんじゃないかなという考えを仰った方がいまして、前向きで素敵な考えだなと思い、期待も込めて【リベンジ浴衣】というテーマに致しました。

そして案内状にありますよう、京都2月の浴衣展も弊社にて「三勝」様とご一緒することになりました。これは、昨年12月に弊社にて、5社合同で開催しました『きもの道楽展in京町家』がヒントになりました。お互いの相乗効果で、お客様の往来が多くなり、新しいお取引や未来に向けたお話しなどがあり、非常に良い流れを感じたことが今回の開催の決断となりました。常識にとらわれていたら、この発想はなかったですし、思いついても出来なかったことです。様々な可能性を探り、お互いに協力し、自分の会社だけでは生み出せない相乗効果を狙っています。結果はどうなるかわかりませんが、コロナ禍だからこそ生まれた企画なので、しっかり取り組みます。

この2月の合同展をはじめ、今年は様々な会社と一緒に展示会が出来ればと考え、会社の一部をリフォーム致しました。会議などではずっと使っていた和室二間、約20畳なのですが、照明が暗く、商品を展示するのには向かないスペースでした。今回、照明を付け替え、スポットライトを入れ、たいへん使いやすくなったと思いますので、ご興味のある方は是非お声がけ下さいませ。

【常識にとらわれない創造を】していくことが、これからも続けられる、将来的に残れると思っています。今までがこうだったからとか、常識的にはこうでしょうとか、定石ではこういう方法とかは、通用しない世の中になりました。

昨年発表しました「はごろ木綿」も木綿の常識を打ち破ったからこそ、受け入れられているのだと感じます。絹のような見え方、着心地、木綿の手軽さ、扱いやすさが同居するという、画期的な商品であることが価値であるのだと思います。今までの常識では考えられない、定石を疑ってかかるとは言い過ぎかもですが、あの将棋の藤井聡太二冠もテレビのインタビューでそのように話されていました。定石、当たり前と言われている手の先に、掘り下げてみるともっと光る手があるようなお話しでした。レベルは全然違いますが、無い知恵を絞って、様々な挑戦をして行ければと思っています。

あまり詳しくないですが、昨年12月22日を機に「地」の時代から「風」の時代へ変わったと言われています。これからはオリジナリティ、センス、情報、波長といった、目に見えないものが重要視されるようになるそうです。そして、自分が好きなこと、自分の特異性を表現していくことが時代にフィットするための鍵だそうで、逆に、周りに批判されたくない、周りに認めてもらいたい、そういう他人軸の自己評価は風の時代に適していませんとのこと。そういう「風」の時代ですが、私に向いているんじゃないかなと勝手に思っています。何にしましても、変化が大きいのは間違いないので、しっかり見極めて乗り越えていきたいです。

新型コロナウィルスの1日も早い終息を願いながら、「ピンチをチャンスへ」変えるべく、【常識にとらわれない創造を】していきたいと思います。

本年も藤井絞を何卒よろしくお願い申し上げます。

藤井絞株式会社  藤井 浩一

2020年を振り返って

藤井絞は、2020年のすべての業務を先日終了致しました。今年も1年間、皆様方にはたいへんお世話になり、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

今年を振り返りますと、新型コロナウィルスの話しは避けて通れません。3月ぐらいから影響が出始め、弊社の期首の4月は緊急事態宣言の為、時短営業、そして休業と致しました。引き続き5月は、24()まで休業として、緊急事態宣言解除後の25()から通常営業に戻しました。実質約40日間の休業でしたので、新年度のスタートは散々たる結果でした。具体的には、4月から商戦が始まる浴衣が、東京オリンピックの中止をはじめ、祭りや花火大会、浴衣イベントの中止により、販売がたいへん難しい状況になりました。実需時期の大ブレーキは、想像できないレベルのものでした。もちろん、お得意先様におかれましても、弊社の商品の販売はたいへん厳しかったことと存じます。予定が入っていました展示会はすべてキャンセルでしたし、実行委員を務めています5月の東京キモノショーも中止になり、イベントもすべて無くなりました。その影響は、最大のきものイベントであります、10月のきものサローネにも及びました。どの業界も同じですが、きもの業界にとりましても、未曾有の事態でした。

これだけの事態でしたので、コロナ禍に対応することが不可欠となりました。経営基盤を見直し、補助金関係は取り、今後、必要となることを整え、そして投資することに従事しました。特に、動画、配信に対応する為に、会社全館のWiFi工事や、配信の為の機器を揃え、今まで以上のインターネットによるきものの紹介、販売方法に着手しました。濃厚接触であります「対面販売」から、非接触の「ネット販売」へ、コロナ禍でなければ思い切ることが出来ない取組みになりました。YouTubeInstagramZOOMなど、様々なSNSやアプリを駆使し、藤井絞のPRに努めました。藤井絞のYouTube、Facebook、Instagram、を添付しておきます。それぞれフォロー、応援、どうぞよろしくお願い致します。

YouTube「藤井絞チャンネル」https://www.youtube.com/channel/UCxzwC-0GCUL1lEhwmw0RKlA

 Facebook    https://www.facebook.com/fujiishibori.kyoto/

Instagram    藤井絞 https://www.instagram.com/kyoto_fujiishibori/

      個人アカウント shibori529    着姿をアップしています。

インターネットで出来る、置き換えられることがこんなにもあったとは、新しい発見でした。もちろんコロナがなければ気付かないし、変化も必要なかったでしょう。ファッションショー、ショッピング、展示会の告知、商品の紹介、接客など、リアルでしか成り立たないと思っていたものが、インターネットですべて成立することが分かり、今後にとって最も大きな武器となりました。新型コロナウィルスが収束すれば、コロナ前のリアルな対面販売にはいつでも戻れますが、リアル、リモートのどちらもできることで、販売方法の拡がりは何倍にもなると確信しました。来年はもっと積極的に取組み、今後の可能性をより模索していきたいと考えています。

緊急事態宣言解除後のお得意先様の展示会は、前述のブログで紹介しました通り、おかげさまで概ね好調です。きものを着る、出かけることを望んでいた方々に支えられ、今までとはどこか違う、きもの熱を感じています。お客様との接点が少なくなっていた中ですが、全国どこへお伺いしても、コロナを忘れるような温かい時間ばかりでした。お客様とこれまで以上の関係を築けたことは、今年最大の財産となりました。お世話になりました多くの皆様、ありがとうございました。

ざっと振り返りましたが、藤井絞の今年のスローガンは【積極的・能動的・自発的】でした。コロナ禍の中、社員がスローガン通り考えて動いてくれたこともありますし、出来なかったこと、足りなかったこともありますが、難しい状況の中、よく検討してくれたと思っています。会社にとって今、何が出来るのか、何が必要なのか、とにかくよく考えて行動して欲しいという旨を伝え続けました。SNSでの注文が増えたり、フォローが増えたりしたことは1番大きな結果でした。しかし、年始に書いていました社員の職人化は、コロナ禍の中、スタート出来ず、来年以降の課題です。例年とは違う考えでの【積極的・能動的・自発的】ですので、順応性、対応力の問われた1年となりました。培ったものが来年以降どう発揮出来るのか、楽しみです。

そして、今年はたくさんの方々との出会いもありました。何か必然的に引き合うような、そしてご縁がある、不思議な出会いが多い年でした。コロナ禍で出会えたからこそ価値がありますし、ヒントもいっぱい頂きました。そして、たくさんの皆様に助けて頂きました。お会いした皆様、共通して前向きで、コロナ禍をチャンスと捉えてらっしゃいます。その良い影響を受け、頭の中が加速度的に整理でき、やろうと思ったことを断行していけました。例年なら、お金かかるしやめておこうとか、時間ないしやめようとか躊躇していたことをほぼやりました。そういう意味では、コロナ禍だからやろう、そして出来たとも言え、とても良い結果となりました。ただし、本当に良い結果になるかどうかは来年以降だと思いますので、しっかり取り組みます。

先日、同業者とこんなやり取りがありました。1番売れにくい、必要性が少ない、それこそ不要不急のものをどうやって販売するかを考える。この理不尽な商売をド真剣にやってるって、凄いなと(笑)でもこのコロナ禍で、きものの仕事はとても有難く、人々の笑顔を作る仕事なんだと、再認識しました。そのきっかけは、オリジナル木綿きもの「はごろ木綿」でした。緊急事態宣言後、YouTubeで商品の特徴を説明したり、ネーミング募集したり、PRし続けました。そして、緊急事態宣言解除後から本格的に販売をはじめると、実際に素材の確認に来られたり、ご注文頂いたりする方がとても多く、展示会を牽引する商材になりました。きものを着て出かけにくい、冠婚葬祭でのフォーマルでの需要が少ない中、このようなカジュアルなきものを、このタイミングで本格的に展開できたことは、とてもラッキーでした。Instagramをはじめ、各種SNSで家でのきもの姿をアップする方が多くなり、この「はごろ木綿」は着心地が良いのはもちろんですが、家で洗えることもあり、『おうちできもの』のニーズを満たしていることも大きかったです。浴衣に引き続き、自然素材で洗えるきものを発表でき、今後、藤井絞の大きな柱になると確信しました。

はごろ木綿、たくさんお買い求め頂き、ありがとうございました。また着姿や感想を頂き、とても励みになりました。来年はもっと商品を充実させますので、楽しみにお待ち下さいませ。

いろいろと書いて参りましたが、この1回のブログで書ききれないぐらい、本当に激動の1年でした。たいへんでしたが、成長できたと自分で感じられた1年でもありました。このコロナ禍は会社や私にとって、大きな良い分岐点になりました。そして、これからのコロナ禍での藤井絞の決意表明を8月末にお得意先様にお送りしました。添付資料をご覧下さい。

 藤井絞・コロナ禍への対応 538A0F64-A210-41EB-88BA-9662CA1C34F5

たくさんのお問合せ、ご質問も頂きましたが、今までと同じようにやってはダメだと言われている以上、会社としての姿勢を示すことは、お得意先様、そして社員を守る為に必要なことだと判断しました。きもの業界も今までとは違う「ニューノーマル」な対応が必要となります。まだ未達のこともありますが、この方針に則り、進めていく所存ですので、どうぞご理解下さいませ。「ピンチをチャンスへ」常に前向きで積極的に取り組んでいければと思っています。

新型コロナウィルスの1日も早い収束と、皆様のご多幸を祈念し、今年最後のブログとさせて頂きます。来年も藤井絞を何卒よろしくお願い申し上げます。

どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

藤井絞株式会社  藤井 浩一

藤井絞オリジナル木綿【はごろ木綿】

9月に入り、少しずつ秋の気配を感じるようになりました。コロナ禍の中、緊急事態宣言解除後より通常営業に戻し、夏が過ぎ去りました。

今夏は、東京オリンピックをはじめ、お祭りや花火大会、盆踊りなどが、ことごとく中止になり、外で浴衣を着る機会が少ない為、浴衣の販売も低調に終わりました。季節商品であります浴衣ですが、春から初夏に向けての実質2ヶ月にわたる販売機会の喪失はたいへん大きく、来年に向けてのものづくりに多大な影響を及ぼしています。

そんな中ですが、在宅勤務やテレワークにより、家できものを楽しむ方が増えたことは、今までにない動きであり、新しい市場の可能性を感じています。家できものを着た姿を各種SNSにアップし、コーディネートを楽しむ方が増えています。きもの仲間とのやり取りも活発で、一緒に出掛けられない、会えない状況でも、きものを通じてのコミュニティが成り立っている強さを感じます。「おうちきもの」や「おうちできもの」や、「おうちコーデ」、そして反対から読んだ造語「デーコちうお」など、ハッシュタグを付けた投稿は見る見るうちに増えていきました。私もその流れに乗り、毎日のように自分の着姿をInstagramにアップしています。shibori529で個人的にアップしていますので、よろしければご笑覧下さい。ちなみに、会社のアカウントは、kyoto_fujiishiboriで、主に商品をアップしていますのでそちらも併せてよろしくお願い致します。

先日、今年の浴衣販売の結果とコロナ禍のきものの動向について、京都新聞より取材を受けました。その記事がこちらです。

8月31日(月)の京都新聞朝刊の記事です。

8月31日(月)の京都新聞朝刊の記事です。

いろいろ書きましたが「家できものを着る」ということは、扱いやすさや気軽さや着方など、お出かけきものとは違うものを求めている方もいらっしゃるのではと想像しています。私自身、毎日きものですので『洗える』ということがとても重要で、この夏、極端だとは思いますが、絹のきものは2度しか着ませんでした。ですので、藤井絞の綿麻浴衣を単衣、夏物のきもののように着ている毎日でした。『家で洗える』ことは汗が気になる夏は必須です。そして家で着ることは、同時に家事をすることでもあり、扱いや汚れも気になります。やはり『家で洗える』ことが大きなポイントになります。弊社の綿麻浴衣も家で簡単に洗えるので、安心して買って下さるのだと思っています。

ですので「藤井絞」は、5月から9月までは綿麻を、夏単衣、夏物、浴衣、秋単衣と着回して頂き、洗える自然素材のきものとして、提案して参りました。今年度10周年を迎えるきものプロジェクトの『59kimono』も同じコンセプトですので、近年だいぶ浸透してきたと実感しています。暑い5月や6月や9月に、無理して袷や単衣の絹のきものを着ることはなく、気候や体調に合わせて選んで着ることが必要ではないでしょうか。きものを着ることが修行のようになってはいけないと思っています。ただし、TPOは大切ですので、お茶席や儀式で決まり事のある場面では、そのルールに従って着ることは必要です。普段着とそうでないきものは分けて考えるべきであると思っています。

私はフォーマルのきものは最近はすべて単衣仕立てにしています。黒紋付はじめ、お召のきものも単衣です。1年中の冠婚葬祭をきもので出席するためには、その方が合理的で、理にかなっていると気付きました。黒紋付を着ている時に羽織を脱ぐ場面は舞台以外では皆無でしょう。黒紋付を着ているという場面は、主催者であることがほとんどで、ほぼ挨拶があるか、それに準ずる立場であり、冷や汗どころではない緊張の連続で、少しでも暑さを凌ぎたいのではないでしょうか。同じく、お召のような男性のフォーマルも同じことが言えると思います。袷のきものを持ち、5月や6月、9月の為にわざわざ単衣を作るより、寒い時期に下着で調整し、単衣を着回す方が財布にもやさしいと考えています。羽裏や襦袢に力を入れているメーカーがこんなことを言うのは、自分で自分の首を絞めていることになるのですが、毎日きものを着るということは、そういう工夫も必要であるということです。異論もあると思いますが、よろしければ参考になさって下さい。

いろいろ書きましたが、ここからは、画期的なきもの素材が出来ましたことのご報告です。表題にありますように、藤井絞は『はごろ木綿』という木綿のきものを開発致しました。足掛け2年、求めていた照り感、風合い、落ち感、着やすさ、扱いやすさにようやく辿り着きました。元々は、前述の5月から9月の5ヶ月をターゲットにした浴衣が認知され、ご愛顧頂いていることにより、その反対の季節の10月から4月に着るきものを作れないかといった考えがスタートでした。コンセプトは【自然素材で家で洗えて、気軽に着られるのだけど、木綿に見えない着姿と着心地】です。従来の木綿の概念を変える素材を目指し、試織を重ねました。

これまで様々な先染めの木綿を着ましたが、捌きが悪かったり、広がったり、重かったり、洗える手軽さは魅力ですが、着心地に満足したことはありませんでした。ですので着やすく、着心地が良く、家で洗える素材が出来れば、浴衣と同じような市場は作れるのではと、数年前から考えていました。そこから試織をはじめ、実際に染めて着て検証し、改善点を次の試織で反映し、それをまた染めて着て、ようやく3回目の試織で、満足いく素材が出来ました。懸案事項であったネーミングをコロナ禍の中、SNSやYouTubeで募集し、100通近いご応募の中からコンセプトがわかり、親しみやすい【はごろ木綿】というネーミングに決定致しました。

ネーミングも決まり、商品も揃いましたので、9月に大体的に業者様向けに発表致しました。実はこの展示会の案内状に【はごろ木綿】を染めたハギレを同封し、お送り致しました。藤井絞始まって以来の試みでした。

結果、その光沢や感触、素材感を実際に確認しに来られる方が多く、コロナ禍の中、望外の活況となりました。「一度自分で着て試してみます」や「消費者の方が言ってたのはこれなんですね」や、「木綿には全く見えない」、「柔らかく着やすそう」など、とにかく評判が良かったです。しばらくぶりのお客様や、新しいことを模索しているお客様など、普段とは違う流れがあったことは狙い通りでした。引き合いも多く、藤井絞の新しい商材として、たいへん良い船出でした。これから様々な地域の呉服店様にて展開していくと思いますので、是非どちらかで手に取ってご覧頂きたいと切に願っております。

15年ほど前、藤井絞が綿麻の浴衣を作りはじめ、11年前のCMで弊社の浴衣を取り扱って頂き、世間に認知され、知られるようになりました。それ以降、浴衣は会社のヒット商品になりました。藤井絞=浴衣、というイメージが大きいですが、弊社の販売の金額構成は、浴衣は3分の1ほどで、あとは絹物の売上です。元来「京鹿の子絞」は絹に施す技術であり、綿麻に展開するのは本流ではありません。しかし弊社が本流にこだわり続けていたら、今は無かったですし、辞めていたかもと正直思っています。

売れる売れないは結果の話しであり、たまたまCMという大ラッキーには恵まれましたが、生地に対するこだわりを追求し、仕上げに対する妥協を一切せずに、自分達が納得いくきものを追い求めたことが認知され、10年を越えた今でも市場に存在する証しであると思っています。しかし何よりも売れたことにより、職人さんの仕事を年間通じて絶やすことなく、作り続けられたことが1番大きな結果なのです。正直、絹物の仕事の何倍もの量の綿麻の仕事を創造できたことが、最も嬉しく、自負するところであります。もっと言いますと、綿麻の仕事が作れたことで、未来の職人の育成もしやすくなりました。すべて絹物で育成となると金額的なリスクが高く、また仕事量も少ない為、技術や技法を覚える機会に乏しく、果ては食べられないという結果で、続かないという結末を迎えるのは容易に想像できます。浴衣の仕事をたくさんこなすことで技術、技法を習得し、慣れたところで絹に発展させていく。「仕事を作れた」ことで、未来の職人を育成する可能性が広がりました。これが一番大きなことなのです。絹のきものの方が単価も高く、会社や業界としては、絹がたくさん売れるのに越したことはありません。しかし、技術や技法を絹にだけ施すことにこだわっていたら、きものの未来はありません。京都は絹の文化ですが、絹=良い物、絹以外=安物という考えは、時代に沿っていないのではないでしょうか。

新型コロナウィルスの収束がないと、冠婚葬祭の規模は縮小され、パーティーなどの開催も難しく、絹のきもの、フォーマルのきものを着る場面、需要の回復は期待できません。たいへん残念ですが、厳しい現実です。

その現状を踏まえた上で、今回の【はごろ木綿】が浴衣のように支持され、新たな市場を獲得出来れば、また職人さん達の仕事を作ることができます。【はごろ木綿】は1点から別誂えできる為、在庫を販売するよりも仕事量は増えますが、お客様の満足度は高くなる画期的なきものなのです。【はごろ木綿】の特長を書きましたものをご覧下さい。

藤井絞オリジナル木綿【はごろ木綿】の特長と商品

藤井絞オリジナル木綿【はごろ木綿】の特長と商品

最後に、もうすでに【はごろ木綿】を実際に作られた方々の感想を。

「はごろ木綿は木綿だけど木綿じゃない。今まで出会った木綿の中で最高です。」

「今までにない着心地 皺にならない 落ち感あり。」

「柔らかくて、袖の落ち感は絹みたいで素敵です。」

 

これからの【はごろ木綿】に是非ご期待下さい!

 

 

 

 

 

 

「覚悟」と「始動」

昨日、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が、京都府では解除になりました。解除にはなりましたが、今後どんなに気を引き締めて取り組んでも、乗り越えられるかどうかわからない、厳しいと言わざるを得ません。

これからの新しい生活様式に伴い、先日、81の業界団体が業種別のガイドラインを設け発表しました。見てみますとどの業種も「出来るのかな」「成り立つのかな」という心配しかありません。消毒の徹底による負荷や時間、飲食出来る席数を減らすなど、どうやって採算分岐点を考えるのか、とても難しい問題です。単純に考えると、客単価を上げるか、原価コストを下げるか、固定費を削るかしかありません。ガイドラインによると、映画館や劇場は、接触を避ける座り方により、実質半分以下の客席で採算を考えなければなりません。そして移動手段でも、飛行機や列車は、今までのように満席で動かすことは出来ないでしょう。他の業種でも、本当に成り立つのかなという印象です。

我々のきもの業界に関しましても接客業であり、濃厚接触が避けられません。ソーシャルディスタンスを取りながらの接客と言われますと、どのような接客が良いのかイメージ出来ませんし、商品のおすすめや説明なども難しいでしょう。また、お客様がマスク姿で、きものの顔写りを見るようになりますので、表情がわかりにくく、似合うか否かの判断も難しくなります。今までの方法ではダメと言われていますので、違う方法を模索するしかありません。

では、違う方法って、どんな接客になるのでしょうか。オンライン、SNS等、お客様と会わずに販売への導線を作る。弊社も積極的にやってはおりますが、現物を見ずに買えるような価格帯のものは少なく、まして着物は、生地の触感が大切だったり、寸法や仕立てなど、会わずでの接客はどうしても限界があります。展示会のあり方やイベントの開催方法は、新しい生活様式に基づいたものになっていかざるを得ません。また、きものは憚られるというような自粛ムードもあります。いずれにせよ、難しい選択を迫られます。

残念ですが、新型コロナ発生以前と同じ状況に戻ることは、もうありません。それを認め、対応に当たる必要があります。厳しく言うと、例えば売上が半分になっても続けていけるのか、そしてその体制を取れるのか。「覚悟」を持って事に当たらなければならないと考えています。

経済活動がどのように戻っていくのか、また第二波が来て、同じような対応を強いられるのか、誰にもわかりません。私は、とても楽観的な性格なのですが、今までのように、前向きにとか、どうにかなるわ、では乗り越えられません。最悪をイメージし冷静に対処する。今までとは違う考え、見方を持つことが不可欠です。元来、悲観的なことを言ったり、考えることが大嫌いなのですが、今回はその性格を曲げる「覚悟」を持たなければという衝撃がありました。

「藤井絞」は、添付の画像にありますように、49日から時短営業、そして420日から休業を続け、当初、5月末までの休業を予定しておりました。お取引先様の皆様には、たいへん長きにわたり多くのご不便をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。しかし、この度の解除により、来週525()から、通常営業とさせて頂きます。

長いトンネルがようやく終わろうとしています。これからの道はどのようなものなのでしょうか。見たことがない、経験したことがない世界が間違いなく待っています。不安はありますが、新しい世界にすごく興味があります。悲観的にいろいろと書きましたが、今回、様々なことを経験したことにより、自分自身、物の見方や考え方が広くなったと感じたり、苦手だったことが出来たり、新しいことに挑戦したり、本当に有意義な時間でした。気持ちをリセットでき、頭を切り替えるきっかけになりました。新しいルールのもと、何が出来るのか、とても楽しみです。経営は非常事態なのですが、なぜか前向きな不思議な感覚です。有事に向いている性格で良かったです。

いろいろ考えていること、そしてやりたいことが出てきました。【新しい世界。ニューノーマル。新しい生活様式。】ルールチェンジで、心が折れるかもですが、めげずに頑張ろうと思っています。

これからも藤井絞をどうぞよろしくお願い致します。

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言に伴う時短営業のお知らせ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言に伴う時短営業のお知らせ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言に伴う休業のお知らせ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言に伴う休業のお知らせ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言延長に伴う、休業延長のお知らせ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言延長に伴う、休業延長のお知らせ

新型コロナウイルス「緊急事態宣言」による休業のお知らせ

「藤井絞」は、新型コロナウイルス『緊急事態宣言』により、本日4月20日(月)より来月5月6日(水)の間、休業とさせて頂きます。尚、私は短時間ですが、毎日出勤する予定にしております。

お取引先の皆様には、たいへんご迷惑をおかけ致しますが、ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

新型コロナウイルスの1日も早い終息と、皆様のご無事を心より祈念しております。

藤井絞株式会社 藤井 浩一

会社シャッターに貼っているご案内

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