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藤井絞オリジナル木綿【はごろ木綿】

9月に入り、少しずつ秋の気配を感じるようになりました。コロナ禍の中、緊急事態宣言解除後より通常営業に戻し、夏が過ぎ去りました。

今夏は、東京オリンピックをはじめ、お祭りや花火大会、盆踊りなどが、ことごとく中止になり、外で浴衣を着る機会が少ない為、浴衣の販売も低調に終わりました。季節商品であります浴衣ですが、春から初夏に向けての実質2ヶ月にわたる販売機会の喪失はたいへん大きく、来年に向けてのものづくりに多大な影響を及ぼしています。

そんな中ですが、在宅勤務やテレワークにより、家できものを楽しむ方が増えたことは、今までにない動きであり、新しい市場の可能性を感じています。家できものを着た姿を各種SNSにアップし、コーディネートを楽しむ方が増えています。きもの仲間とのやり取りも活発で、一緒に出掛けられない、会えない状況でも、きものを通じてのコミュニティが成り立っている強さを感じます。「おうちきもの」や「おうちできもの」や、「おうちコーデ」、そして反対から読んだ造語「デーコちうお」など、ハッシュタグを付けた投稿は見る見るうちに増えていきました。私もその流れに乗り、毎日のように自分の着姿をInstagramにアップしています。shibori529で個人的にアップしていますので、よろしければご笑覧下さい。ちなみに、会社のアカウントは、kyoto_fujiishiboriで、主に商品をアップしていますのでそちらも併せてよろしくお願い致します。

先日、今年の浴衣販売の結果とコロナ禍のきものの動向について、京都新聞より取材を受けました。その記事がこちらです。

8月31日(月)の京都新聞朝刊の記事です。

8月31日(月)の京都新聞朝刊の記事です。

いろいろ書きましたが「家できものを着る」ということは、扱いやすさや気軽さや着方など、お出かけきものとは違うものを求めている方もいらっしゃるのではと想像しています。私自身、毎日きものですので『洗える』ということがとても重要で、この夏、極端だとは思いますが、絹のきものは2度しか着ませんでした。ですので、藤井絞の綿麻浴衣を単衣、夏物のきもののように着ている毎日でした。『家で洗える』ことは汗が気になる夏は必須です。そして家で着ることは、同時に家事をすることでもあり、扱いや汚れも気になります。やはり『家で洗える』ことが大きなポイントになります。弊社の綿麻浴衣も家で簡単に洗えるので、安心して買って下さるのだと思っています。

ですので「藤井絞」は、5月から9月までは綿麻を、夏単衣、夏物、浴衣、秋単衣と着回して頂き、洗える自然素材のきものとして、提案して参りました。今年度10周年を迎えるきものプロジェクトの『59kimono』も同じコンセプトですので、近年だいぶ浸透してきたと実感しています。暑い5月や6月や9月に、無理して袷や単衣の絹のきものを着ることはなく、気候や体調に合わせて選んで着ることが必要ではないでしょうか。きものを着ることが修行のようになってはいけないと思っています。ただし、TPOは大切ですので、お茶席や儀式で決まり事のある場面では、そのルールに従って着ることは必要です。普段着とそうでないきものは分けて考えるべきであると思っています。

私はフォーマルのきものは最近はすべて単衣仕立てにしています。黒紋付はじめ、お召のきものも単衣です。1年中の冠婚葬祭をきもので出席するためには、その方が合理的で、理にかなっていると気付きました。黒紋付を着ている時に羽織を脱ぐ場面は舞台以外では皆無でしょう。黒紋付を着ているという場面は、主催者であることがほとんどで、ほぼ挨拶があるか、それに準ずる立場であり、冷や汗どころではない緊張の連続で、少しでも暑さを凌ぎたいのではないでしょうか。同じく、お召のような男性のフォーマルも同じことが言えると思います。袷のきものを持ち、5月や6月、9月の為にわざわざ単衣を作るより、寒い時期に下着で調整し、単衣を着回す方が財布にもやさしいと考えています。羽裏や襦袢に力を入れているメーカーがこんなことを言うのは、自分で自分の首を絞めていることになるのですが、毎日きものを着るということは、そういう工夫も必要であるということです。異論もあると思いますが、よろしければ参考になさって下さい。

いろいろ書きましたが、ここからは、画期的なきもの素材が出来ましたことのご報告です。表題にありますように、藤井絞は『はごろ木綿』という木綿のきものを開発致しました。足掛け2年、求めていた照り感、風合い、落ち感、着やすさ、扱いやすさにようやく辿り着きました。元々は、前述の5月から9月の5ヶ月をターゲットにした浴衣が認知され、ご愛顧頂いていることにより、その反対の季節の10月から4月に着るきものを作れないかといった考えがスタートでした。コンセプトは【自然素材で家で洗えて、気軽に着られるのだけど、木綿に見えない着姿と着心地】です。従来の木綿の概念を変える素材を目指し、試織を重ねました。

これまで様々な先染めの木綿を着ましたが、捌きが悪かったり、広がったり、重かったり、洗える手軽さは魅力ですが、着心地に満足したことはありませんでした。ですので着やすく、着心地が良く、家で洗える素材が出来れば、浴衣と同じような市場は作れるのではと、数年前から考えていました。そこから試織をはじめ、実際に染めて着て検証し、改善点を次の試織で反映し、それをまた染めて着て、ようやく3回目の試織で、満足いく素材が出来ました。懸案事項であったネーミングをコロナ禍の中、SNSやYouTubeで募集し、100通近いご応募の中からコンセプトがわかり、親しみやすい【はごろ木綿】というネーミングに決定致しました。

ネーミングも決まり、商品も揃いましたので、9月に大体的に業者様向けに発表致しました。実はこの展示会の案内状に【はごろ木綿】を染めたハギレを同封し、お送り致しました。藤井絞始まって以来の試みでした。

結果、その光沢や感触、素材感を実際に確認しに来られる方が多く、コロナ禍の中、望外の活況となりました。「一度自分で着て試してみます」や「消費者の方が言ってたのはこれなんですね」や、「木綿には全く見えない」、「柔らかく着やすそう」など、とにかく評判が良かったです。しばらくぶりのお客様や、新しいことを模索しているお客様など、普段とは違う流れがあったことは狙い通りでした。引き合いも多く、藤井絞の新しい商材として、たいへん良い船出でした。これから様々な地域の呉服店様にて展開していくと思いますので、是非どちらかで手に取ってご覧頂きたいと切に願っております。

15年ほど前、藤井絞が綿麻の浴衣を作りはじめ、11年前のCMで弊社の浴衣を取り扱って頂き、世間に認知され、知られるようになりました。それ以降、浴衣は会社のヒット商品になりました。藤井絞=浴衣、というイメージが大きいですが、弊社の販売の金額構成は、浴衣は3分の1ほどで、あとは絹物の売上です。元来「京鹿の子絞」は絹に施す技術であり、綿麻に展開するのは本流ではありません。しかし弊社が本流にこだわり続けていたら、今は無かったですし、辞めていたかもと正直思っています。

売れる売れないは結果の話しであり、たまたまCMという大ラッキーには恵まれましたが、生地に対するこだわりを追求し、仕上げに対する妥協を一切せずに、自分達が納得いくきものを追い求めたことが認知され、10年を越えた今でも市場に存在する証しであると思っています。しかし何よりも売れたことにより、職人さんの仕事を年間通じて絶やすことなく、作り続けられたことが1番大きな結果なのです。正直、絹物の仕事の何倍もの量の綿麻の仕事を創造できたことが、最も嬉しく、自負するところであります。もっと言いますと、綿麻の仕事が作れたことで、未来の職人の育成もしやすくなりました。すべて絹物で育成となると金額的なリスクが高く、また仕事量も少ない為、技術や技法を覚える機会に乏しく、果ては食べられないという結果で、続かないという結末を迎えるのは容易に想像できます。浴衣の仕事をたくさんこなすことで技術、技法を習得し、慣れたところで絹に発展させていく。「仕事を作れた」ことで、未来の職人を育成する可能性が広がりました。これが一番大きなことなのです。絹のきものの方が単価も高く、会社や業界としては、絹がたくさん売れるのに越したことはありません。しかし、技術や技法を絹にだけ施すことにこだわっていたら、きものの未来はありません。京都は絹の文化ですが、絹=良い物、絹以外=安物という考えは、時代に沿っていないのではないでしょうか。

新型コロナウィルスの収束がないと、冠婚葬祭の規模は縮小され、パーティーなどの開催も難しく、絹のきもの、フォーマルのきものを着る場面、需要の回復は期待できません。たいへん残念ですが、厳しい現実です。

その現状を踏まえた上で、今回の【はごろ木綿】が浴衣のように支持され、新たな市場を獲得出来れば、また職人さん達の仕事を作ることができます。【はごろ木綿】は1点から別誂えできる為、在庫を販売するよりも仕事量は増えますが、お客様の満足度は高くなる画期的なきものなのです。【はごろ木綿】の特長を書きましたものをご覧下さい。

藤井絞オリジナル木綿【はごろ木綿】の特長と商品

藤井絞オリジナル木綿【はごろ木綿】の特長と商品

最後に、もうすでに【はごろ木綿】を実際に作られた方々の感想を。

「はごろ木綿は木綿だけど木綿じゃない。今まで出会った木綿の中で最高です。」

「今までにない着心地 皺にならない 落ち感あり。」

「柔らかくて、袖の落ち感は絹みたいで素敵です。」

 

これからの【はごろ木綿】に是非ご期待下さい!

 

 

 

 

 

 

「覚悟」と「始動」

昨日、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が、京都府では解除になりました。解除にはなりましたが、今後どんなに気を引き締めて取り組んでも、乗り越えられるかどうかわからない、厳しいと言わざるを得ません。

これからの新しい生活様式に伴い、先日、81の業界団体が業種別のガイドラインを設け発表しました。見てみますとどの業種も「出来るのかな」「成り立つのかな」という心配しかありません。消毒の徹底による負荷や時間、飲食出来る席数を減らすなど、どうやって採算分岐点を考えるのか、とても難しい問題です。単純に考えると、客単価を上げるか、原価コストを下げるか、固定費を削るかしかありません。ガイドラインによると、映画館や劇場は、接触を避ける座り方により、実質半分以下の客席で採算を考えなければなりません。そして移動手段でも、飛行機や列車は、今までのように満席で動かすことは出来ないでしょう。他の業種でも、本当に成り立つのかなという印象です。

我々のきもの業界に関しましても接客業であり、濃厚接触が避けられません。ソーシャルディスタンスを取りながらの接客と言われますと、どのような接客が良いのかイメージ出来ませんし、商品のおすすめや説明なども難しいでしょう。また、お客様がマスク姿で、きものの顔写りを見るようになりますので、表情がわかりにくく、似合うか否かの判断も難しくなります。今までの方法ではダメと言われていますので、違う方法を模索するしかありません。

では、違う方法って、どんな接客になるのでしょうか。オンライン、SNS等、お客様と会わずに販売への導線を作る。弊社も積極的にやってはおりますが、現物を見ずに買えるような価格帯のものは少なく、まして着物は、生地の触感が大切だったり、寸法や仕立てなど、会わずでの接客はどうしても限界があります。展示会のあり方やイベントの開催方法は、新しい生活様式に基づいたものになっていかざるを得ません。また、きものは憚られるというような自粛ムードもあります。いずれにせよ、難しい選択を迫られます。

残念ですが、新型コロナ発生以前と同じ状況に戻ることは、もうありません。それを認め、対応に当たる必要があります。厳しく言うと、例えば売上が半分になっても続けていけるのか、そしてその体制を取れるのか。「覚悟」を持って事に当たらなければならないと考えています。

経済活動がどのように戻っていくのか、また第二波が来て、同じような対応を強いられるのか、誰にもわかりません。私は、とても楽観的な性格なのですが、今までのように、前向きにとか、どうにかなるわ、では乗り越えられません。最悪をイメージし冷静に対処する。今までとは違う考え、見方を持つことが不可欠です。元来、悲観的なことを言ったり、考えることが大嫌いなのですが、今回はその性格を曲げる「覚悟」を持たなければという衝撃がありました。

「藤井絞」は、添付の画像にありますように、49日から時短営業、そして420日から休業を続け、当初、5月末までの休業を予定しておりました。お取引先様の皆様には、たいへん長きにわたり多くのご不便をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。しかし、この度の解除により、来週525()から、通常営業とさせて頂きます。

長いトンネルがようやく終わろうとしています。これからの道はどのようなものなのでしょうか。見たことがない、経験したことがない世界が間違いなく待っています。不安はありますが、新しい世界にすごく興味があります。悲観的にいろいろと書きましたが、今回、様々なことを経験したことにより、自分自身、物の見方や考え方が広くなったと感じたり、苦手だったことが出来たり、新しいことに挑戦したり、本当に有意義な時間でした。気持ちをリセットでき、頭を切り替えるきっかけになりました。新しいルールのもと、何が出来るのか、とても楽しみです。経営は非常事態なのですが、なぜか前向きな不思議な感覚です。有事に向いている性格で良かったです。

いろいろ考えていること、そしてやりたいことが出てきました。【新しい世界。ニューノーマル。新しい生活様式。】ルールチェンジで、心が折れるかもですが、めげずに頑張ろうと思っています。

これからも藤井絞をどうぞよろしくお願い致します。

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言に伴う時短営業のお知らせ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言に伴う時短営業のお知らせ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言に伴う休業のお知らせ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言に伴う休業のお知らせ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言延長に伴う、休業延長のお知らせ

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言延長に伴う、休業延長のお知らせ

新型コロナウイルス「緊急事態宣言」による休業のお知らせ

「藤井絞」は、新型コロナウイルス『緊急事態宣言』により、本日4月20日(月)より来月5月6日(水)の間、休業とさせて頂きます。尚、私は短時間ですが、毎日出勤する予定にしております。

お取引先の皆様には、たいへんご迷惑をおかけ致しますが、ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

新型コロナウイルスの1日も早い終息と、皆様のご無事を心より祈念しております。

藤井絞株式会社 藤井 浩一

会社シャッターに貼っているご案内

会社シャッターに貼っているご案内

緊急事態宣言、そしてどうするのか?

お久しぶりです。新年以来のブログの更新で心苦しい限りです。今年が始まった時には、まさかこんな年になるとは誰が想像できたでしょうか。

新型コロナの影響で世界中がたいへんなことになっています。先週、7都道府県に対し「緊急事態宣言」が発令され、休業要請などの影響で経済的ダメージがとてつもなく大きく、非常事態になっています。もちろん命を守ることが最優先ではあるのですが、弊社も含め、周りの話しや、特に飲食店の現状を見ていますと、ウイルスより先に経済活動の危機でやられそうで恐ろしい毎日です。

弊社に関しましても、月初めの展示会を開催致しましたが、この状況ですのでもちろん来客は少なく、そもそも京都へお越しの方が、例年に比べ激減の状況でした。お得意先様の立場からすると至極当然の選択なのですが、現実に直面しますと、これからどうなっていくんだろうと不安しかありません。展示会やイベント、展覧会の中止の相次ぐ連絡ばかりで、緊急事態宣言が終わった後も普通の商いに戻るイメージがまったくできなく、どうしたものかと考える日々が続いています。

経営者として、資金の調達をはじめ、従業員の安全確保、雇用を守ることなど、普段当たり前すぎて意識してなかったことを最重要課題とし、真正面から真剣に向き合っています。こんな重い状況になったからこそ、今まで普通に過ごせていたことの有難さを感じ、1日も早い終息を願うばかりです。

新型コロナの問題が起こってから、社員と話し合いを持つ機会が多くなりました。府県を跨いで通勤していて、移動制限がかかったのでどうしたら良いですか?とか、電車が混んでて、時差出勤で人混みを避けたいのですが、などの相談です。それぞれ住んでいる場所も状況も違うので、出来るだけ混雑を避ける電車で来ることにしてもらい、会社は時短営業の10時〜15時まで、そして交代制で休むようにしました。電話や来店も少なく、喫緊の仕事もほぼありませんので、十分に回る実務になってきました。そしてまさに本日、全国に緊急事態宣言が発令されるようですので、休業を含め、対応したいと思います。

そのような中ですが、今年のスローガンに挙げました【積極的・能動的・自発的】に動く社員が多くなったことはたいへん嬉しく、良い意識になってきているなぁと感じます。自分に何が出来るのか、どう動くことが会社にとってプラスなのか、よく考えて行動する人が増えてきました。特に、以前より取り組んでいますSNSの活用は、投稿頻度が増えたり、工夫があったりして、今まではやってなかった挑戦を見られて、手前味噌ですがなかなかおもしろいと感じています。また、余り布でマスクを作ったりして、自分の得意分野でよく考え、積極的に仕事を作ることは、必ず今後のプラスになると思っています。今まで疎かだったHPの充実や、SNSの更なる活用をして、濃厚接触だけではない販売方法を模索していきます。

そのようなことで、ほぼ毎日SNSの投稿をしております。是非それぞれをご覧頂き、フォローや登録、応援をして頂けるとたいへん有難いです。また、商品のお問合せ、ご質問、ご注文等、お待ちしております。

「Facebookページ」『藤井絞株式会社』
会社の展示会・イベント情報や商品紹介、TVや雑誌などに取り上げられたメディア情報をアップしております。『いいね』をどうぞよろしくお願い致します。

https://www.facebook.com/fujiishibori.kyoto/

「Instagram」『kyoto_fujiishibori』
商品紹介やコーディネート、メディア掲載情報などをアップしております。是非フォローをよろしくお願い致します。#藤井絞 #藤井絞り で皆様の藤井絞コーディネートのアップをお待ちしております。

https://instagram.com/kyoto_fujiishibori?r=nametag

「YouTube」 『藤井絞チャンネル』
商品説明や紹介、製作工程を、動画でご紹介しています。今は、『藤井絞オリジナル木綿』のネーミング募集を行なっております。是非チャンネル登録をお願い致します。

https://m.youtube.com/channel/UCxzwC-0GCUL1lEhwmw0RKlA

私は、毎日目まぐるしく変わる緊急経済対策を見て、何が適用出来るのかの検討と書類作成の日々です。私にしか出来ない仕事ですし、経営者として取れるものはすべて取る思いで、向き合っています。昨年3月に父が完全引退したことにより、すべての経理を引き継いだのですが、苦手とか言ってられないレベルの事象で、1年でこんなに状況が変わるものかと信じられない思いです。ただ、とんでもない非常事態になりましたので、私に引き継いでいて良かったと前向きに捉えています。今の私の仕事は、販売より何よりも、傷んでいる経営基盤を整えること。安心して働ける環境づくり、職人さんに安定的に仕事を出せる体制を持続することです。厳しい現実が立ちはだかっていますが、この機会を普段経験出来ないチャンスと捉え、経済活動が日常に戻った時に力が発揮できるよう備えます。

この7,8年で、たくさんの仲間ができ、楽しいことを見つけ、一緒に新しいことに挑戦し、無我夢中でやってきました。本当に楽しく充実した時間でした。しかし最近は、自分の中でマンネリ化と飽きがあり、スランプのようなものを感じていました。どうしたらワクワクするのだろうか、ドキドキするのだろうか。常に葛藤がありました。

そのような時に起こったコロナショック。仕事は一気に暇になりましたが、普段できないことに取り組んだり、知らないことを学んだり、初めての経験があったり、毎日刺激的で、違う頭を使うことが多くなりました。不思議なのですが、アイデアも沸いてきますし、やる気も出て来ました。望んでなったことではないのですが、自分の中でリセットができて、新たなスイッチが入ったかんじです。

この騒動で、これからの価値観や行動が間違いなく変わるでしょう。今までの常識や方法が通用しなくなる気がしています。その時に対応するべく、新しい藤井絞を構築していかなければなりません。その準備期間と捉え、様々な手を打ちたいと考えています。

いつ終息するかわかりませんが、皆様どうぞご無事で、今だからしなければならないこと、してはいけないことをよく考えて行動し、お互いにできることを頑張りましょう!

皆様ときものを楽しめる日が1日も早く来ますよう、心より祈念しております。

2020年年頭所感

皆様、新年あけましておめでとうございます。旧年中はたいへんお世話になり、ありがとうございました。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

藤井絞の2020年は、本日1月6日から始まりました。年末年始は少し長いお休みを頂き、様々なことをじっくりと考える良い機会となりました。これからどうしていくのか、どう考えるのか、今年のスローガンを絡め、述べさせて頂きます。

まずは昨年の状況と反省から。前半夏頃までは、前年とあまり変わらず、普通に流れていました。しかし、秋口から、そしてまた増税後の10月から、より厳しい状況が続き、そのまま年末を迎えました。増税に対処出来なかったことは、昨年の「変化を進化へ」のスローガンを実行出来なかったことになります。大きな対策も打てず、流れにまかせてしまったことは反省です。ただ、同業者や業界誌の記者の方々に聞きましても、良い話しは聞けず、同じような状況なんだなと、確認することが多くありました。しかし、悪い話しはいくつ聞いてもダメで、参考になることが少ないですね。自社も含め、これからこの業界はどうなるのか、そして、どうしていくのかをよく考え、腹を決めて取り組まないことには、何もはじまらないなと再認識しました。

「選択と集中」をスローガンとした数年前より、業者様向けの案内状を原則廃止したり、ルートセールスを少なくしたりなど、同業者がまず選択しない方法をとってきました。それは、SNSが発達したり、従来の方法での営業が効かなくなってきたことに起因しています。弊社の名前が知られたり、商品の人気があったりしたことで、結果、受動的となっていました。『お客様に選ばれる会社』を目指してやってきましたが、最近、限界が見えてきたなと感じています。同じことをしてダメなら変えないと、未来はないですね。

それを踏まえ、今年のスローガンは【積極的・能動的・自発的】と致します。

近年を振り返りますと、受け身の商いが多かったです。案内状を原則廃止したことにより、弊社に目的があるお客様を待つ商いだったり、展示会の依頼を待つなど、こちらから積極的に動いて取りにいく動きは少なかったです。そのようなことを鑑みて、今年は積極的にお客様に働きかけます。

SNSにより、新しいお客様とも会える機会が増えました。また、世代交代が始まっていて、私より年下の後継者のお店も増えてきました。新しい方法で、新しいお客様を獲得されていて、たいへん刺激を頂いています。実は、私自身がスランプなのか、飽きなのか、新しいことに飢えていました。元来飽き性で、最近の自社のやり方にも限界を感じていました。そのような中、新しい考えに触れ、いろいろと見つめ直すことも多くなり、まだまだ頑張らないとと奮起の機会を頂きました。父の引退に伴い、昨年4月から会社内部のことを多くするようになりましたが、やはり現場が好きで、改めて営業に出たいなと感じた年末でした。という訳で、また現場に少し戻りますので、お伺いした時はどうぞよろしくお願い致します。

それから、年末に社員1人1人と話しました。考えていること、やりたいことを聞き、私からお願いすることもしたりして、いろいろ話しました。20歳代の社員が3名になったということもあり、感覚が新しく、ハッとさせられることも出てきました。私自身が古いなと感じることもありましたし、会社の体制ができていないなと気付くこともありました。

そんな中で、毎年書いています「新しい職人を育てる」ことに関して、進展がありました。それは、社員に職人仕事を打診したら、職人の仕事を覚えたいと言ってくれたことでした。実は、前から考えていて、したいですと。灯台下暗しとはこのことで、ものすごく嬉しい出来事でした。スタートはこれからですが、将来的に社内でいろいろ出来ればおもしろい展開になるのではと考えています。そのためには、それぞれの仕事を誰でもこなせるようにしていくことが急務です。今年のスローガンであります【積極的・能動的・自発的】が大切になってきます。期待感も込めて、このスローガンでいきます。

きもの販売を取り巻く環境は、年々厳しくなってきます。守ってばかりいても縮小しかないなと。どうせ厳しいなら、前へ出て自分で切り拓くしかないと、目が覚めました。景気のせいにしたり、増税の影響とか言ってるのが情けなく感じています。やるかやめるか、本当のラストチャンスが、あと2、3年あるかどうかのイメージです。職人の高齢化により、物ができなくなり、売る物がなくなってきます。できないのに売る仕組みを追いかけるのは、矛盾していますし、そうならないように、今年は【積極的・能動的・自発的】に動きます。

全国のきもの業界の方々と協力し、消費者の皆様へ商品をより届きやすくします。SNSもありますし、キモノショーやきものサローネ、藤井絞祭りなど、直にお会いできる機会も多くあります。また、会社をショールーム化し、いつでもご覧頂けますように致します。以前から申し上げている通り、弊社は小売販売をしたくありません。仕立てに関わるノウハウは、呉服店の方が長けていて、その仕事はおまかせし、そして納品頂けたらと常に思っています。それぞれの立場を全うして、消費者の皆様が安心してお買い求め頂くシステムを構築できればと考えています。

東京オリンピックの記念の2020年。【積極的・能動的・自発的】に、そして夢中になってきものに向き合います。情熱を傾け、きものを楽しみたいと思います。

そのようなことで、今年もご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

藤井絞株式会社  藤井 浩一